フランス文学者で元京都大教授の蔵書、遺族に無断で廃棄。 |
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2017年 04月 27日
フランス文学者で元京都大教授の蔵書、遺族に無断で廃棄。 毎日新聞と京都新聞は2017年04月27日に、フランス文学者で元京都大学教授桑原武夫(Takeo Kuwabara/1904 - 1988)から寄贈された蔵書約1万冊を、京都市が2015年に無断で廃棄していたことが、遺族側関係者などへの取材で分かったと報告した。 利用実績が少なかったことから「保管の必要はない」と判断したという。 京都市教育委員会は判断が誤りだったと認め、遺族に謝罪した。 京都大学人文科学研究所長などを務めた桑原武夫は「赤と黒」で知られる小説家スタンダールや「社会契約論」を著したルソーなどフランスの文学や哲学、評論などの研究で知られ、人文学に共同研究の手法を取り入れ、哲学者の梅原猛や故鶴見俊輔、文化人類学者の故梅棹忠夫、フランス文学者の故多田道太郎らを育てた。 京都市西京区の国際日本文化研究センターの創設にも尽力し、京大学士山岳会の遠征隊長を務めるなど登山家としても知られている。 戦後日本の知識人に大きな影響を与え、1987年に文化勲章を受章した。 2017年02月に一般利用者から「蔵書を閲覧したい」と右京中央図書館に問い合わせがあり、同館職員が「廃棄した」と答えたため、京都市教育委員会に連絡した。京都市教育委員会が調査し、発覚したという。 京都市教育委員会は2017年04月27日に、蔵書の廃棄を了解したとして右京中央図書館副館長だった57歳の生涯学習部担当部長の女性職員を減給6カ月(10分の1)の懲戒処分にし、2017年04月27日付で部長級から課長補佐級へ降任したと発表した。知識のない生涯学習部担当部長など解雇だろう。 右京中央図書館には、現在も「桑原武夫コーナー」として、桑原武夫が生前に使用していた机や椅子、直筆のノートなど20点が置かれている。 しかし、企業の作った博物館や図書館などは、もっと凄まじいと聞いている。 興味は、いくらなら売れるかなどという次元である。 特にアメリカ系で研究してきた博物館学や図書館学の研究者が、毎日いくつかの博物館が閉鎖され、そこにあった資料が行方不明になっていると聞いている。
by jiten4ujp
| 2017-04-27 20:48
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