5mの命綱だけの人類初のアレクセイ・レオーノフによる宇宙遊泳から50年。 |
http://time-az.com/main/detail/50120
現在もモスクワ(Moscow)市内の銀行で元気に働いているアレクセイ・レオーノフは、AFPに、
「私はゆっくりと外に身を乗り出し、宇宙船を離れた。」
「漆黒の一面に星が見え、太陽はまぶしすぎて耐えられなかった。」
5mの命綱で宇宙船につながれながら、レオーノフは眼下にくっきりと広がる故郷・地球の地形に目を見張った。
「完全な円形の地球、コーカサス(Caucasus)やクリミア(Crimea)、ボルガ(Volga)川を撮影した。とても美しかった。」と振り返る。
1965年3月18日のこの歴史的瞬間は、冷戦時代に敵対していた米国と旧ソビエト連邦が、宇宙進出競争を展開していた当時の出来事だった。
しかし、宇宙遊泳の成功直後には、一歩間違えば惨劇になりえた事態が発生した。
レオーノフが宇宙空間に漂っているうちに、人類初の宇宙遊泳を達成した陶酔感が直ちに不安に変わったと述べている。
周回軌道は短時間のうちに太陽から遠ざかり、闇の中に入ろうとしていた。宇宙船内に戻る時間が近づいていたが、レオーノフは着用していた宇宙服が気圧不足のため膨張し、変形していることに気付いた。そのままでは、宇宙船のエアロックに入れなくなる恐れがあった。
レオーノフは直ちに管制センターとこの事態について意見を交換し、酸素欠乏の危険を冒して宇宙服内の酸素を自ら抜き、膨張を抑えることを決断した。どうにかしてエアロックに足からではなく、頭から入った。この困難な動作のせいで、レオーノフはわずか12分間の宇宙遊泳で汗だくになり、体重は6kgも減少した。