古代エジプト埋葬布が、5000万円超で落札。 |
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大富豪の銀行グループ後継者からその妻、愛人をめぐった旅の末、埋葬布に新たな所有者が決まった。
競売会社ピアザ(Piasa)が手掛けた今回の競売はまさに異例だったと言っている。
同様の埋葬布は世界で他に22枚しか確認されておらず、その大半がパリのルーブル美術館(Louvre Museum)や米国のニューヨーク(New York)のメトロポリタン美術館(Metropolitan Museum of Art)などの美術館の所蔵となっている。
鮮やかな彩色が施された、縦29cm、横21cmの四角形のこの小さな布地は当初、米金融大手ゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)グループの後継者アーサー・サックス(Arthur Sachs)が所有していたもので、後にアーサー・サックスの愛人だったフランス人小説家のジャンヌ・ロビトン(Jeanne Loviton/1903-1996)の手に渡った。
ピアザが6か月前、1996年に死去した愛人のロビトンが所有していたパリ市内の住宅の遺品整理中にこの埋葬布を偶然発見した。売却時の所有者はジャンヌ・ロビトンの娘だった。
当初の所有者だったアーサー・サックスは1927年に古物商Paul Mallon (1884-1975)から、もともとは妻への贈り物としてこの埋葬布を購入した。妻はそれをパリの邸宅のバスルームに置いていたが、結局は夫のアーサー・サックスに返した。そこでアーサー・サックスは、埋葬布を当時の愛人だったジャンヌ・ロビトンに1939年にプレゼントした。ジャンヌ・ロビトンはその後亡くなるまで、埋葬布を自宅に保管していた。ピアザが発見した時、埋葬布は壁に掛けられたままの状態だった。