銀河宇宙線が脳にダメージ与える恐れ! |
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米国科学誌「サイエンス・アドバンシズ(Science Advances)」に論文が掲載されたこの実験研究は、UCI(University of California, Irvine/カリフォルニア大学アーバイン校)のチームが研究用のマウスを用いて行ったもので、長期間の宇宙飛行で飛行士がさらされる銀河宇宙線に似た高エネルギー荷電粒子にさらしたマウスに中枢神経系の損傷と認知機能障害がみられたと言っている。
現在、ISS(International Space Station/国際宇宙ステーション)の滞在任務は各国の宇宙飛行士が約6か月ずつ交代で行っているが、今年3月にはISSでの長期滞在ミッションが人体と精神に与える影響を試験するため、米国人宇宙飛行士のスコット・ケリー(Scott Kelly)とロシア人宇宙飛行士のミカエル・コニエンコ(Mikhail Kornienko)が初めて1年間の長期滞在を開始した。
NASAは2030年代に人類を火星に送る目標を持っている。しかし現時点の技術は実現可能な域に達していないし、そうした宇宙飛行の人体への安全性も疑問だとする懐疑的な見方もある。
荷電粒子の照射によって脳内の情報伝達ネットワークが損傷し、神経細胞の信号伝達機能が妨げられた。
荷電粒子が「弾丸のように」神経細胞の樹状突起を直撃し、他の神経細胞などとの接続を切断したと言っている。
「アルツハイマー症などでみられる認知機能の低下は、樹状突起の損失と関連があることはよく知られている。」と論文は指摘している。